• Taichi Ogasawara

行政のまちづくり担当者はイオンモールに出向させたら?

最終更新: 2019年4月14日


前回の投稿から、少し時間が空いてしまいました。急な出張や来福のクライアント、確定申告などがあり時間がとれませんでした。


昨年のものですが、こんな記事を見つけました。

レジャー施設の入場者数ランキング2016、USJとハウステンボスが過去最高、金沢21世紀美術館は35%増に ―綜合ユニコム


この記事によると、テーマパークの年間来場者数で日本で一番多いのが、ディズニーランドで、ランドとシーを合わせて年間約3000万人、USJで約1400万人です。ディズニーランドは2つあるので単体で見ると年間約1500万人程度でしょうか。

次に続くのがハウステンボスで、かなり落ちて年間300万人くらいです。

次に面白かったのが国内の美術館も載っていたのですが、金沢の21世紀美術館が国内では一番多く集客していて年間約240万人です。2位以下の国立系の施設を抑えての1位は地方都市の一美術館としては驚異的です。


どこも、年間を通して人が沢山来ているイメージがあります。

しかし、実はここに出ている施設を超えて集客をしている施設が日本にはあります。

それはショッピングモールです。資料を探したのですが、網羅的に集客数を統計しているものを見つけられなかったのですが、3年くらい前までは日本で一番の集客数を誇っていたのが幕張にある「ららぽーとTOKYO-BAY」で年間約2500万人の人が訪れていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ららぽーとTOKYO-BAY

私が中国などで大型のショッピングモールの設計をしていたときも、2500万人とは言いませんが大体、年間1200万人〜1500万人くらいの来場者があるという前提で設計をしていました。

ショッピングモールを計画する時にはもちろん、周りの人口統計や交通などのインフラの状況等を確認して計画地を決定するのがセオリーなんですが、中には土地があるという理由だけでここに大きな商業施設を作りたいという、依頼も多々あります。というか、そういったケースが殆どでした。

そういう時に、「ここにショッピングモールを作ってもそもそも人がいないので失敗しますよ」といって断ることも出来ますが、そんなことを言っていては仕事にならないので、なんとか知恵を絞ります。

実はショッピングモールを作る時に大事になるポイントは2つしかなくて、

1,集客力のあるテナントを誘致する

2,そのテナントを核にしてなるべく多くの人を回遊させる

乱暴な言い方をするとこの2つしかありません。

集客をする為に必要なポイントはこの2つだけで、人がたくさん集まって賑わっている場所は大体、このセオリーにしたがって作られています。

例えば浅草寺は、雷門という入口があって奥に強力な集客力のあるアンカーテナントして浅草寺があり、それを繋ぐ門前町として仲見世通りがあります。また九州では太宰府天満宮もそういった形式をとっていて駅から太宰府天満宮を繋ぐ道(これをショッピングモールではモールと呼びます)の間に沢山の商店が並んでいます。

これらは古い事例で偶発的な事例ですが、ディズニーランドでもこのショッピングモールの形式が踏襲されていて、入り口からなるべく遠い位置に人気のあるアトラクションを設置して入園者をなるべく奥へと誘導します。

ウォルト・ディズニーは最初のディズニーランドを作る時に当時アメリカで誕生したショッピングモールをかなり詳細に研究していたといいます。

都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代

っで、人を集めて賑わいを作る(=集客)するには2点大事なポイントがあると言いましたが、集客力のあるテナントを誘致するのが結構難しいです。駅前の一等地で何もしなくても集客が見込めて周りに既存店舗などがない場合は、スタバでもH&Mでもユニクロでもなんでも、出店してくれますが、大体においてそういった恵まれた状況で計画が進むことは殆どなくて、力のない開発業者ですとそういう人気のあるテナントは出店してくれません。

テナント側が出店を決める最大のポイントとしては出店条件も、もちろんありますが一番大事なことは、その施設に人が来るのかどうかです。

その施設の立地があまり良くない場合、差別化できるポイントしては、その建物の空間が面白くて、その施設が他とは違う企画なりコンセプトを持っていて、多くの人が「一度行ってみたい」、「行ったら楽しかった」そういう施設を作りますよといった、その計画案なり企画書を持って、テナントを誘致する担当者がテナント側を口説くわけです。

やっと、表題です。

「行政のまちづくり担当者はイオンモールに出向させたら?」

僕の周りでも、いわゆる建築家や都市計画家(最近はそんな肩書の人は見たことありませんが)、建築学生などが町の商店街や、駅前に人を呼び戻そうとかで色んなことをやっているのを見たり聞いたりする機会がよくあります。流行ってます。

箱物行政の失敗から、役所側も安く使えるのでそういった人たちと組んで、安い予算を使って何かイベントをしようとするのですが、結局の所続かないし、経済的に成功しているのを見たことがありません。

最悪なのはそういう小さな「まちづくり」が、少し成功して予算がついた場合に大きな開発に移行した場合です。いまの所そういうケースはあまり見たことないですが、「コミュニティ」をコンセプトに大きな開発をすると必ず失敗します。あくまで地域住民と連携してちいさなコミュニティをコンセプトとして成立するのはせいぜい100人から500人程度です。それも継続は難しいし、ものすごく人的コストもかかります。

ですから、行政でまちづくりを担当している人は(本当はそんな部署を作ることをやめて民間がもっと参入しやすくするように規制を緩めたり、余っている土地を持っている人とやりたい民間業者を仲介、審査するのが行政の役目だと思いますが)、イオンモールなどの開発部門に出向させて、何も無い所にどうやって集客して人を集めるかということを勉強したほうがいいのにと思います。

例えば、集客力のあるモノが町には何か一つくらいあるはずです。

美術館とかお寺とか、図書館でもいいです。もっと言うと役所でもいいです。

とにかく、町で一番集客力のある建物なり公園を核に、駅やバス停などの入り口を整備して、その間に商店街を持ってくれば、その商店街を歩く人は増えます。

けっして、駅から美術館にいくまでの間をきれいな公園や遊歩道を整備して気持ち良く散歩をさせたり、利便性をあげるために大きな駐車場をすぐ隣に作らないでください。

本当に税収をあげたいなら、郊外にイオンモールを作るのを規制するのではなく駅から歩いて行ける距離にイオンモールを作ってもらって駐車台数を制限して、イオンモールにいくまでの間に商店街を作ればいいのです。

今回の記事はゲストハウスや建物の再生とは直接関係なさそうに見えますが、集客というのは不動産を活用する場合に一番に考える必要があるので、簡単な原理原則くらいは知っておいて損はないし、自分が出店したり土地を買ったりした場合に人通りがあるのか、ないのかは重要な指標になるので、こういう視点で土地選びや出店先を探すのもひとつかなと思います。

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