• Taichi Ogasawara

その2<計画から資金調達編> 一棟貸しの宿泊施設「長崎坂宿GUEST」が完成するまで。

最終更新: 2019年11月29日

長崎に一棟貸しの宿泊施設「長崎坂宿GUEST」を2019年11月に開業しました。


長崎市に小笠原企画が企画運営する

一棟貸しの宿泊施設「長崎坂宿guest」が開業しました


オープンまでの顛末を事業者目線で、なるべく包み隠さず時系列に沿ってまとめてみました。

小規模の宿泊施設やお店を開業したいという方にも参考になるかと思います。


1、その1〜物件探し編〜

2、その2〜計画から資金調達編〜

3、その3〜工事会社選定編〜

4、その4〜許可申請から開業まで編〜




<企画・計画>1ヶ月

物件探しの旅も15軒目にしてついに見つかり、やっとスタートです。


まずはじめにやることは実測です。古い建物などの場合は現況図面が残っていることはほぼ無いので、実測して現況図面を作成します。同時に後から見返すように部屋内をグルっと写真撮影します。建築士に設計を頼むと実測をして図面を作成してくれます。自分でやる場合でも同様です。

とにかく、現状の図面を作成しないことには行政相談などでも話が進みませんので最低限でも平面図は必要です。


現場写真


実測が終わると、実測図をもとにデザイン業務に移ります。

この時に設計士、建築士、デザイナーに欲しい設備の大きさや数を伝えましょう。

この設備の要求は事業計画に関わってくるのでしっかりと考えて伝えましょう。


例えば、

ベッドの数、シャワーやトイレの数、キッチンの有無など。


また何か特別なこだわりがある場合も先に伝えましょう。

露天風呂が欲しい、ベッドのサイズ、2段ベッドの雰囲気など。


伝えられた要求を元に建築士は現況図面を元に入る(業界用語では納まるといいます)か入らないかを検討します。


当初の要求を元に図面が上がってくると要求どおりに行くところと行かないところや建築士からの提案などが出てきます。

平面が固まるか要求が固まった段階で事業計画を作ります。



計画時に建築士に伝えたい3つのポイント

・予算

・欲しい設備の数や寸法

・施設のイメージ



ここでいろんな事が大まかに決まるので一番楽しい段階とも言えるかもしれません。

要求がきっちりしていたら基本計画は1ヶ月程度で完了します。

要求が二転三転するとその分時間がかかります。

<基本計画図の一部>



<資金調達>2ヶ月

物件探しの間は時間をみつけては資金調達の為の説明会やセミナーに参加していました。ただセミナーではどうしても一般的な話になりがちだったので、個別に一度相談をしたいなと思いながらネットで情報を探していました。


みつけたのが福岡市の起業家向けの施設「スタートアップカフェの専門家相談」予約をすると無料で日本政策金融公庫の担当者に資金調達について相談ができます。


福岡市の起業家向けのサービスで長崎のプロジェクトの相談をしても良いものか迷いましたが、特に問題はありませんでした。相談には1軒目の民泊施設の事業計画書や、融資の参考になりそうな資料を用意して望みました。


相談相手は現役の政策金融公庫の融資課長でした。

簡単に自己紹介と普段の業務内容の説明をして、1軒目の物件時の事業計画と売上の推移を見せながら概要を説明しました。反応は非常に好意的で具体的な融資可能額も教えてもらいました。融資申し込みに必要な資料も教えてもらい、具体的に物件が出てきたら直接連絡してくださいとの事でした。



相談時メモ

・とにかくよほどの事がない限り300万円は貸してくれるらしい

・金利は2%程度

・期間は7年



融資課長が太鼓判を押してくれて、それまでの不安も解消され物件探しにも弾みがつきました。

スタートアップカフェの専門家相談




さて、物件も決まり計画の方向性も決まったので資料を用意して、相談をした政策金融公庫の融資課長にアポをとるためメールで連絡をいれました。相談から3ヶ月ほど経っており忘れられてるかなと思いましたが幸い返事はありました。

ただ、相談した融資課長は今年の4月に異動したとの事で別の担当者に引き継ぐとの事でした。

少し嫌な予感もしましたが、わざわざ携帯に電話をしてきてくれた新しい担当者の方も非常に丁寧で、今後の手続きの仕方を教えてくれました。


満を持して資料を揃え、最寄りの日本政策金融公庫に向かいます。

初めて入った政策金融公庫の店内はちょっと普通の銀行とは印象が違い、暗い印象。

窓口で、電話をくれた担当者の名前と融資の申込みに来た旨を伝えると、融資申込書の記入と持参した資料を提出するように言われました。記入を済ませると、担当者が決定次第、面談日の連絡があるとの説明を受けて初日は終了



一週間ほどで政策金融公庫から自宅に面談日を知らせる封書が届きます。



指定された時間に遅れないように資料をもって政策金融公庫までいきます。

指定された時間の10分前に窓口に面談に来た旨を伝えると番号札を渡されて待ちます。同じ時間に同じような内容で待っていそうな人もいます。指定された時間になり周りの人の番号が呼ばれました。

私もすぐ呼ばれるかと思いきや結構な時間待たされ、さして慌てた様子もなく40代後半から50代の担当らしき人が来て呼ばれます。。


イラッと来ましたが、こちらはお金を借りる方ですので、目的さえ達成できればそれで良しと面談に望みます。


面談もイマイチ噛み合いません。

30分から40分ほど一通り説明や質疑をして、担当者から言われたのが、



「こんな場所に外国人観光客がきますか?」


既に近所で民泊を開業しています。そのデータを元にして収益計算しています。今回のほうが立地は良い。収支も安全側で計算している。これ以上ないデータを提示しているつもりなのですが、どうも担当者とピントが合いません。



「昨年度の決算が赤字はまずいですね」


昨年は一軒目の民泊をDIY含めて時間を使った。他の仕事をセーブしていた時期の売上が低く決算は若干の赤字になってしまった。開業後の売上推移は順調で今期は黒字になる。



この2点は自分でも突っ込まれることはわかっていたので、スタートアップカフェでの専門家相談の段階で相談していました。その時は、説明がつくなら特に問題とは考えないから大丈夫との事でした。




なにはともあれ面談は終了。後は結果を待つのみ。




待つのみとはいえ、流石に面談の感触が悪かったので、別の金融機関での資金調達も視野にいれます。とりあえず、次の展開も考えて最近口座を開設した地銀の担当者に電話を入れてみます。

担当者に政策金融公庫で融資審査を受けている旨を伝え、そちらでも融資可能か聞いてみます。とりあえず政策金融公庫の審査の結果を待って、もし駄目だった場合は再度連絡をくださいとの事でした。



本当に待つのみでこの時期は不安でした。



ネットで政策金融公庫の結果が出る期間を検索したり、融資審査の体験談とかを検索して時間を潰します。普通は面談から約2週間、遅くとも3週間から1ヶ月で返事があるとのこと。



面談日から数えて1ヶ月と1週間。



金曜日の17時前に電話で担当者から「すいません。駄目でした。」と。

理由を聞くと、懸念していた2点が問題になったとのこと。


そんな理由ならもっと早く教えてほしかったとイラッと来ましたが仕方ありません。



気を取り直し、地銀の担当者に連絡し政策金融公庫に提出した資料一式を渡し、融資のお願いに。

一週間もしないうちに無事通りましたと。

金額も金利も政策金融公庫と同じで資金調達できることになりました。



という事で後半だいぶ端折りましたが、なんとか初の資金調達は終わりました。



教訓

・融資を受けるなら赤字決算は絶対ダメ

・金融機関の担当者との相性もあって、誰が担当者かは超大事




次回は工事業者選定です。


3、その3〜工事会社選定編〜

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